グラスの上から下へ、
パフェを食べるとは
ひとつのストーリーを味わうこと。
はじめましてPACEです Vol.05
パフェ&ジェラート ラルゴ 代表・古川雄三さん
この秋、ルクア イーレ4Fに誕生する「PACE(ペース)」は、まるでひとつの街のような、ワクワクに満ちた空間です。ぐるぐる歩き回って「ちょっと疲れたな」という時、欲しくなるのは甘いもの! 「パフェ&ジェラート ラルゴ(以下、ラルゴ)」に行ってみては? 「映え」だけではない、パフェを食べる体験まるごと、ひとつのストーリーのように楽しめる場所なのです。そんな唯一無二なパフェテリアの裏側を、代表・古川雄三さんにインタビュー。驚くべきアイデアマンぶりに企画会議も白熱し、新店が盛り上がりそうなアイデアも続々登場しました。
古川:そうなんです! テーブルごとに違う色合いになっているんですよ。
ルクア岡森:このテーブルに座っているだけで、なんだか気持ちが華やぎますね。
古川:パフェを食べるってちょっとした非日常だと思うので、食べる前から特別感を味わってほしくて。
ルクア岡森:今回のプロジェクト全体を「PACE」というテーマで括ったのは、お店をカテゴリーで分断したくなかったからなんです。各店舗それぞれの「PACE」を大切にしながら、お互いに関わり合うことで、店舗さん同士で「一緒にこういうことやったらおもしろそう!」みたいな連鎖が生まれるようにしたくて。
古川:出店の決め手もそこなんです。正直、商業施設に入っているテナント同士、そして商業施設さんと各テナントとの関係については、施設がオープンしたらバラバラになるイメージがあった。でも、岡森さんに構想を聞いた時、「ここなら一緒に作り上げていけそう」と感じたんですよね。
パフェの語源はパーフェクト。
心ときめく要素が詰まった食べ物なんです。
ルクア岡森:そもそもの話なんですが、なぜ古川さんはパフェのお店をはじめようと思われたのでしょう?
古川:パフェって、パーフェクトが語源なんです。フルーツが入ってて、アイスクリームが入ってて、さらにケーキの要素もある。上から下へ、味や食感が変わっていくところにストーリーが生まれるのも魅力的ですよね。この店舗では新作をかぶりなしで年間14種類作っていて。パフェグラスひとつにいろいろなアプローチを試みています。
ルクア岡森:今回「PACE」にご出店されるのは、どんなお店になるんでしょう?
古川:パフェテリアの軸はブラさず、あらたにジェラートを追加したいと思っています。ジェラートって素材の良さ、鮮度、季節感が大事で。ラルゴのパフェで大切にしている部分に通ずることがあるかなと。
ルクア岡森:お客様も農家さんもラルゴさんも嬉しい、まさに「三方よし」の仕組みですね。手軽に食べられるジェラートは、ちょっとしたお茶の時間にも良さそうです。
最後まで飽きないパフェの秘密は、
独自のテーマ性と緻密なバランス計算。
ルクア岡森:でもお話をおうかがいしてみて、パフェへの思いの深さやこだわりに驚いたんです。失礼なお話ですみません!
古川:いやいや、謝らないでください(笑)。たしかに見栄えもかなり意識して試行錯誤していますよ。見た目って、人に感動や楽しさを与えるうえでとても大切な要素ですから!
ルクア岡森:それだけこだわった新作を、毎月のペースで出しているんですよね。どうやって考えていらっしゃるんですか?
古川:大切にしているのは「テーマ性」です。開店当初は、よくある“季節のフルーツ”みたいなことをやっていたんですが、1年回ると同じようなものの繰り返しになっちゃう(笑)。だから、「紅葉」とか「卒業」とか、あえて食べものとは直結しなかったり抽象的だったりするところからインスピレーションを得られたらおもしろいなと。
古川:他にも有名漫画のキャラクターである某兵長の誕生日を祝う企画や、学校を卒業するのでそれにちなんだパフェといったリクエストもありました。お題を与えられることが好きなんですよ。新しいアイデアが湧きますし、「絶対に応えたい!」となって燃えちゃいますね(笑)。
古川:パフェって糖分と脂質が多いので、全体のバランスを計算して作らないとしんどくなるんですよ。
ルクア岡森:「最後の方、もういいわ~」となるとテンションが下がってしまいますよね。もったいないし、悪いことしているな~と。
古川:わかります、わかります。でも逆に「もうちょっと食べたいな」で終われるのがラルゴのパフェなんです。
古川:抹茶とかチョコとか、ひたすら重たかったんですね。そこからそのために生クリームの空気量を見直したり、食感が途中で変わる様にしたり。「最後まで飽きないパフェ」をひたすら研究しました。
ルクア岡森:アイデアを実行に移されるまでもかなりスピーディーですよね。
古川:お店をやっていると想定外の出来事って必ずあるんですね。それにお客様のリアルな声や要望も実際に接してみなければわからない。もちろん、それらに対応しないという選択肢もあるとは思うんですが、お客様にとっては良いことではないので、どれだけ柔軟かつ迅速に対応するかが大切かなと。
「深夜パフェ」に「10秒パフェ」。
枠をはみ出すアイデアもどんどん実現したい。
ルクア岡森:過去にはひとつのフルーツをいろいろな仕立てで展開するコース料理を出されていたりとか。
古川:「デクリネゾン」ですね。実験好きと言いますか、とにかくいろいろと考えてやってみるのが好きなんですよね。根底には、うちでしか食べれないことの価値をもっと掘り下げたいという気持ちがあります。
古川:たとえば新店では、より生乳に近い風味を味わっていただけるようにノンホモ牛乳を使うことにしているんです。24時間放牧飼いで品種改良されていないブラウンスイス種の牛からとれる「木次地乳業」さんの山地酪農牛乳を使わせてもらえることになりました。牛乳本来のうまみを楽しんでいただけたら!
ルクア岡森:他のテナントさんとの化学反応もおもしろいものになりそうですよね! コーヒーショップの「パスファインダー」さんとのコラボとか、ビジュアル面でのコラボとして、「スパイラルマーケット」さんで展示されるアート作品にちなんだパフェを作るとかもできそう!
古川:パフェと一緒に特別感もお届けできたら。前例がないことでも「無理かも」から入らず、常識の枠を広げていきたいですね。ルクアさんと力を合わせていけたら嬉しいです!
ルクア岡森:パフェを食べるだけでも1日の目的や楽しみになりますよね。スケジュール帳に書きたくなるというか(笑)。
古川:ラルゴでは夜パフェを楽しむ方も多いんですよ。夜営業は20時から満席になります。
ルクア岡森:ルクアは通常ですと20時半に閉店予定なんですが、たとえば夜にイベントをやりたい時にはラルゴさんだけ開ける、みたいなこともありですね。
古川:1日限定で、夜2時まで完全予約でやりますとか。深夜用のメニューを考えるのも楽しそうです。
古川:10秒で食べないと食感が変わってしまうパフェとか。パフェって水分量が多い素材は敬遠されがちなんですが、そこをあえてOKにしたら、アプローチの幅も広がりそうです。
ルクア岡森:そこにルクアも柔軟に応えていくつもりですので、これからもぜひ勉強させてください!
ルクア大阪・寅屋敷のインタビュー後記:
「お客様に提供するなら完璧なものにしたいから“パーフェクト”が語源のパフェを作ろう!」という想いからパフェを始めたお茶目な古川社長。よりお客様に美味しく食べてもらうために日々研究されていて、試行錯誤された話を聞いているうちに、パフェがすごく食べたくなってきて、インタビュー後すぐにパフェを食べに行っちゃいました。今回のインタビューでもたくさん新しい企画、アイディアが生まれましたし、周りの店舗さんとのコラボ企画も前向きに検討されているとのことで、今後コラボ企画も始動するかも!乞うご期待!
なんと、ルクア大阪店のために、新しいジェラートの開発も進めているそうで、ジェラートのテイクアウトもぜひお楽しみに。