ルクア大阪が発信するプロジェクト“LIFE”。数々のイベントを通して、ショッピングの新しいカタチを提案します。

JOURNAL

ルクア大阪の1周年イベントの一環としてスタートしたアートプロジェクト「ルクアリウム」。

Yellow HAMMER、Mondoverde、藤元明(REBIRTH PROJECT)、ENZOといった
アーティストがルクア大阪のエントランスで表現したものとは?

アートとショッピングが交差することで起こる“新たな体験”を追った。

アートとショッピング、そこに行かないと体験できないこと

ただ何かを買うのがショッピングではなく、その行為自体を楽しんだり、大切な想い出と紐づくものになったりすることこそが、これからの時代の“ショッピング”だ、と定義してみる。その場所に向かうところからすでにその体験は始まっていて、エントランスをくぐり抜ける瞬間は、その象徴のひとつだろう。旅で異国に降り立ったときに、その土地土地によって匂いが違っているのに気分が高ぶる、あの感じに似たような。

そのエントランスに、アート作品が展示されるとはどういうことか? まず言えるのは、ルクアリウムと“ショッピング”に共通するのは「そこに行かないと体験できない」ということであり、それは〈LIFE〉の実践する「価値の新たな創造」へとつながっていくのだ。

エントランスだからこそ生まれたアート

ルクアリウムとは、「ルクア大阪のエントランスに展示する」ことを目的として制作されたアート作品で、そこにルクア大阪1周年という華やかなタイミングも重なった上で、そこから各アーティストがコンセプトから考え抜いて作りあげた。つまり、ここからしか生まれなかった表現だ。参加アーティストのひとりである藤元明(REBIRTH PROJECT)は話す。
「商業施設での作品展示ということ。(中略)だからこそできる表現だったり、飛躍した状況を作れるチャンスがあるわけで。『それは商業施設の演出でしょ?』みたいに、勝手に枷をはめないほうがいいと思っている」

たしかに、不特定多数の人が訪れる、開かれた場所に展示する、という状況を考えると、アプローチの仕方はより多角的になるだろう。藤元明のように、エントランスという特性を生かし、吹き抜ける風を利用した作品に仕上げたもの。Mondoverdeもまた、花と緑を使い空間をカラフルに有機的に彩った。その場との連携を意識したこの2つに加えて、Yellow HAMMERは鯱というシンボリックな立体作品で来場者たちを(熱烈に!)歓迎した。これもまたエントランスという特殊性を考慮してのものだろう。

それらに比べてENZOの「EYE」は異質だった。その強度・純度は場をねじ曲げるほどで、でもその違和はその時間のなかでは妙に溶け合ったりもしている。瞳を連想させる形状をしたオブジェのなかには、世界中から集められた年代ものの木が立ち並んでいて、まるで街のようにも見えてくる。それは多様さを内包する街そのものであり、その風景を瞳が映し出しているようでもあり…。ふと我に返るとそこは多様な街=大阪の中心であるルクア大阪だったりするわけだ。

LUCUA LIFE Lucuarium [ルクアリウム] Mondoverde (モンドベルデ) - Spherical Image - RICOH THETA

ルクアリウムというヴィジョンが見せたものとは?

JR大阪駅直結の商業施設という大阪の中心点、その入り口をアートによって彩ること。パブリックな空間へのアート展示、というのはありふれた手法だけど、そのなかにあってルクアリウムの新しさとは、それがエントランスという“境界”で起こった出来事だった、ということかもしれない。内と外、その“どちらでもある”という特殊なスペースだからこそ、ここにしかない特別な時間・体験へとアクセスできる。そう、ルクアリウムという可能性は、まだまだ始まったばかりだ。